日本禁煙学会学術総会

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第6回日本禁煙学会学術総会のご報告

第6回日本禁煙学会学術総会
会長 山本蒔子
    (禁煙みやぎ理事長)

I はじめに

  第6回日本禁煙学会学術総会は4月7日(土)と8日(日)に宮城県仙台市の仙台国際センターにおいて開催されました。この学術総会は当初は2011年の10月1日と2日に開催を予定しておりましたが、2011年3月11日の東日本大震災によって延期を余儀なくされました。本来は次の年の開催は出来なのですが、日本禁煙学会の理事長はじめ会員の皆様のご理解とご支援にとって、開催することが出来ました。

II シンポジム

 まず、被災地において被災後に開催する学術総会として、緊急シンポジウムとして「震災と喫煙問題」を行いました。仙台と石巻における現場では、被災地における医療活動の厳しい中で、禁煙治療までは出来なかったとの報告や、避難所における受動喫煙を避ける考えが避難所の運営の中に考慮されていなかったと報告されました。また、日本禁煙学会「被災地における禁煙治療マニュアル」の作成に携わり、実際に被災地も巡回された藤原日本禁煙学会理事は、救急医療に携わる医師達も禁煙をもっと念頭に置かなければ、被災地において高い頻度で発生している、心筋梗塞や狭心症を防ぐことは出来ないと指摘されました。感染予防としては配布されている用紙に、“手洗い”と“うがい”は書かれていても“禁煙”は書かれていないことも、禁煙の重要性に対する認識が無いことを表しているとの指摘もありました。今後は避難所における運営マニュアルに、受動喫煙を防ぐ措置を盛り込むべきであるとの結論になりました。
 今回の学術総会のテーマは『禁煙支援の輪を拡げよう』です。このテーマのもとに「防煙・禁煙の輪を拡げよう」と「敷地内禁煙を進めましょう」の2つのシンポジウムを行いました。前者では、鳥取県における行政の取り組み、喫煙学生を入学させない大学、日本薬剤師会の作成したガイドライン、地域住民が参加する寸劇を入れた防煙教育等多方面の取り組みが紹介されました。後者では、一般市民が禁煙を要望する方法、産業医科大学、順天堂大学および東北大学の敷地内禁煙に至る経過とその維持に努めている現状が報告されました。

III 特別講演等

 特別講演Iでは、タイから招聘したプラキット教授から、税率を上げてタバコの価格を年々あげることによって、喫煙率が減少していき、税収入が上がり、タバコ産業の利益も出ているとういう素晴らしい報告がありました。
 特別講演IIでは、参議院議員の桜井氏から「禁煙で元気な日本を作る」と題して、日本における社会保障費や医療費の分析や禁煙による経済的な効果についてご講演を頂きました。
 一般演題は123題であり、2つの講演会場とポスター会場において、熱心な議論が行われました。理事長講演では、これから日本禁煙学会が目指していくべき道を示されました。会長講演では、「禁煙推進の20年」と題して、山本が、産業医として働き始めたJR東日本仙台支社での活動、禁煙医師連盟・宮城支部と禁煙みやぎの2つの禁煙推進組織を地元でつくり、継続した活動を行ったことを話しました。
最後の市民公開講座では林望氏が、ご自分の体験から、勇気をもって日々禁煙を求めて行く方法を話され、参加者は大きな共感を得ました。

IV 受動喫煙防止に向けて

 スモークフリーキャラバン隊(隊長;渡辺文学氏)が、仙台の学術総会開催に向けて4月2日から、関東東北の各県庁を訪問し、受動喫煙防止条例の早期制定の要望を行う活動を展開しつつ、仙台に到着しました。本学術総会の前日4月6日には、スモークフリーキャラバン隊の皆さんと日本禁煙学会の作田理事長、および地元禁煙みやぎの理事長の山本、田浦副理事長、大高理事が共に、宮城県庁を訪れました。県知事宛に受動喫煙防止条例の早期制定を求める要望書と、禁煙みやぎが2010年の世界禁煙デー・宮城フォーラム「ストップ!ザ・受動喫煙」以来集めた宮城県に受動喫煙防止条例制定を求める3,000名の署名を手渡しました。
 学会の参加者は約750名に上り、閉会式の大会宣言では、国や自治体に受動喫煙防止条例の制定を求めると共に、プラキット教授の示唆により、検討委員会を設置する際にはタバコ産業関係者を委員に入れてはならないことを要望として追加しました。本学術総会の開催が今後宮城県における禁煙推進に大いに貢献することを期待して閉会となりました。

V 御礼

 本学術総会の開催に際し、禁煙みやぎ会員の多くの皆様にはご寄付を頂き、多大な貢献を頂きました。また、当日参加されました会員の皆様には学術総会の運営にご協力を頂きました。お陰をもちまして、第6回日本禁煙学会学術総会を成功裡に開催することが出来ました。ここに、ご協力頂きました会員の皆様に対し心から御礼申し上げます。

 

『第6回日本禁煙学会学術総会大会宣言』PDF file

 

 

       

 

  


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