世界禁煙デー

 

第18回禁煙推進・宮城フォーラム

【 基調講演 】
「喫煙問題4つの錯覚と兵庫県受動喫煙防止条例について」

17学会禁煙推進学術ネットワーク委員長
兵庫県受動喫煙防止対策委員会委員長
日本禁煙学会理事 兵庫県立尼崎病院・県立塚口病院 院長

藤原 久義 氏


1.喫煙問題4つの錯覚

 

A.錯覚1:喫煙は趣味・嗜好、禁煙はマナー、本当に悪いなら国家が販売を認めるはずがない

真実:喫煙者は減少しているが、現在もなお2500万人(20%;男32% 女8%)で喫煙による推定死者19.6万人/年(世界:540万人/年)という膨大な健康被害を出している病気、すなわち「喫煙は病気、喫煙者は患者」、ニコチン依存症・心理的依存症+喫煙関連疾患。ニコチン依存症として、禁煙保険診療が可能。

それにもかかわらず国は“たばこ事業法” 昭和59年 でタバコの生産・販売を保護・管理。

 

B.錯覚2:税金を払っている。社会貢献をしている。

真実:税収の3倍の損失、日本のタバコの値段も税金も極端に安い。

C.錯覚3:受動喫煙問題はマナーの問題

真実:推定死者 6,800人/年で非喫煙者にとっても、喫煙者にとっても重要な健康問題。

約80%と大多数を占める非喫煙者は遠慮せずに、もっと声を出すべき!

 

D.錯覚4:能動喫煙者を減少させれば喫煙関連疾患は減るが、受動喫煙防止をしてもそう簡単にはガンや心筋梗塞等が減るはずがない!

真実:受動喫煙防止条例はACS(心筋梗塞・不安定狭心症)を施行直後から減少させる。

ただしわが国のデータはない!

 

2.兵庫県受動喫煙防止条例について
 -国際的スタンダード&神奈川県条例との比較-

 

A.国際スタンダード:WHOたばこ規制枠組み条約(FCTC)第8条

●完全禁煙で分煙(喫煙室、時間禁煙、喫煙・禁煙の表示等)を認めない。

●罰則を伴う法的規制を明記

 

B.わが国の健康増進法平成15年第25条&厚生労働省健康局長通知平成22年

●「多数の者が利用する公共的な空間については、原則として全面禁煙であるべき」としているが、分煙の可能性を認める。

●喫煙室設置に公的補助金

●罰則が明記されていない

 

C.兵庫県受動喫煙防止条例

平成24年3月県議会で可決、1年間の周知期間を経て、平成25年4月から官公庁、病院、学校で、26年から民間も含めて全県下で施行。詳細は資料1.資料2.を参照。

 

資料2.兵庫県受動喫煙の防止等に関する条例の概要

資料2-1
資料2-2
資料2-3


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