世界禁煙デー

 

世界禁煙デー 第17回フォーラム

 

【 シンポジウム 】
 タバコの規制に関するWHO枠組条約を遵守しよう!

  ~ガイドラインに即したタバコ製品の包装と
  ラベルの画像警告表示の早期実現を成し遂げよう~

             禁煙みやぎ   田浦 勝彦 氏

 

 毎年タバコによって世界で600万人以上、日本では10数万人以上が早死して数千億ドルの経済的損失を世界に与えていますが、タバコを排除することで予防可能です。したがって、あらゆる手段でタバコの消費を減少させれば、人々の命と暮らしを助けることになります。消費減少策の一つに、タバコ製品の包装とラベルへの健康警告表示策があります。WHOは2009年の世界禁煙デーのスローガンに「タバコ製品への健康警告表示」を取り上げました。同時に南ア・ダーバンでの第3回締約会議(2008年11月)の議論を踏まえて、タバコ規制枠組条約(FCTC)第11条には、明瞭かつ効果的な健康警告表示と誤ったあるいは誤解を生む宣伝を排除するために、主たる表示面の50%を超え半分以上に画像を入れる措置を取るように規定しました。しかも、条約では「すべての国は3年以内に効果的な措置を採択及び実行する」とあります。期限は間近です。

 また、WHO包括的タバコ対策パッケージ(MPOWER)2011では、効果的なタバコ規制対策の実行を求めています。図1のように、各種タバコ規制対策は不十分な状況です。

 

【図1】

 

 

タバコ製品への画像警告表示対策についても約半数は全く実行されていません。「対策なし」の国に日本も含まれます。図2に、わが国のタバコ製品包装(右)と対策が実行されているカナダ(左)やオーストラリア(中)の脳卒中表示例を示しました。

【図2】

 

わが国(右)では「喫煙は、あなたにとって脳卒中の危険性を高めます。疫学的な推計によると、喫煙者は脳卒中により死亡する危険性が非喫煙者に比べて約1.7倍高くなります。」厚生労働省のホームページに掲載されています。一方、カナダとオーストラリアの画像警告表示には視認性が高く、タバコ使用に健康被害の危険性が明確に伝達でき、喫煙の動機をより強く引き起こす機会となります。わが国も国際条約を遵守して、国民の健康を守る措置を早急かつ着実に実行に移すべきです。

 

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