閉会のご挨拶
大滝 正通 氏
大野内科医院院長 禁煙みやぎ 会員
この春になって中国のPM2.5粒子についてしばしば報道され、警告が出されています。この直径2.5μm以下の粒子(微小粉塵)は肺の奥深くまで入ってしまうので肺への障害が強いのです。しかし、この粒子は中国だけで発生しているわけではありません。最も身近なものは、発がん物質が多く含まれている
タバコの煙です。WHOでは、安全な空気中の微小粉塵濃度を25μg/㎥以下としていますが、喫煙可能な居酒屋などでは、この濃度が600μg/㎥にも上昇し、喫煙者の呼気は10000μg/㎥もあると報告されています。
日本も批准しているWHOの「タバコ規制枠組み条約」では、受動喫煙を皆無にするように求めていますが、日本はこの条約をうやむやにして守っていません。禁煙にしていない店の従業員は、相当量のPM2.5粒子を吸わされていることになります。条約をきちんと守っている英国では、パブも禁煙になり、受動喫煙が完全に防止され、その結果タバコを吸わない人の心筋梗塞が20%も減少したと報じられています(NEJM 359:482,2008)。どんな薬よりも効果があったのです。
医学的にはタバコの害については、もう多数のデータを出し切っています。
あとは役人、議員が私利私欲にとらわれずに、例外なき室内禁煙の法律、条令を作る順番になっています。ここに参加されているみなさんも法律が制定されるように応援して下さい。