世界禁煙デー

 

第19回世界禁煙デー・宮城フォーラム

 

「第19回世界禁煙デー・宮城フォーラム」開催の報告

 

特定非営利活動法人禁煙みやぎ
理事長 山本蒔子



 WHO世界禁煙デー関連イベントの「第19回世界禁煙デー・宮城フォーラム」を「みんなの知らない“タバコの害”」をテーマとして、6月1日(土)に開催しました。
 本年のWHO 世界禁煙デーのテーマは、「タバコの広告、販売促進とスポンサ-シップを禁止しよう」でした。禁煙みやぎのフォーラムを通じて、タバコの害のあまり知られていない面を認識して頂き、タバコ産業の戦略に惑わされず、禁煙が進むことを願ってフォーラムを企画しました。
 基調講演は、禁煙みやぎ会員で、東北大学環境・安全センター所長、東北大学医学部産業分野教授、統括産業医の黒澤 一氏にお願いしました。「タバコを吸うと何が起こるのか」と題して、タバコを吸うと発生する煙の小粒子は、過日、中国の大気汚染で話題になったPM2.5(直径2.5μm以下の小粒子)と同じ
ものであり、微小であるがゆえに、肺の奥深く肺胞に達して肺を破壊し、がんを起こし、さらに血管に入り込み動脈硬化を起こすことを話されました。
 また、東北大学病院は今年の4月に喫煙に関する『東北大学病院の宣言』を発表しました(プログラム5頁)。黒澤氏はこの作成にも関わり、1.すべての人の受動喫煙を防ぐ 2.喫煙者の健康を守るという内容について、大学病院の考えを示し、これはすべての医療機関において実施すべきことであると強調されました。宮城県医師会におかれましても、この東北大学病院の宣言を広く医療機関に周知して頂きますようお願い申し上げます。


シンポジウムは「タバコで起こる意外な病気」として、一般にあまり認識されていない眼科、歯科及び精神科の病気についてお話しを頂きました。
眼科領域は、布施昇男氏(東北大学東北メディカル・メガバンク機構教授)が、中途失明の最大の原因である緑内障や加齢黄斑変性が喫煙により起こり、悪化することを示しました。歯科疾患では、禁煙みやぎ副理事長である大高要子氏(デンタル・ミキ院長)が、歯の喪失の最大原因である歯周病が、喫煙によってどのような機序で起こるかを解説されました。又、歯の移植やインプラントの生着率も喫煙で悪化するので歯科治療においても禁煙が重要である。糖尿病患者の歯周病を治療すると血糖コントロールの改善がみられることや、歯周病の人は寿命が短い等、歯科疾患と全身の健康について述べられました。精神疾患では禁煙みやぎ会員の石井 一氏(あおばの杜診療所 所長)が、依存症の成り立ちと喫煙と精神疾患の関連について解説されました。一時、ニコチンが脳を刺激するので、アルツハイマー型認知症になりにくいとの説が出たが、現在では否定されていることも話されました。

参加者は医療関係者、行政及び一般市民の約100名でした。参加者からは、今まで知らなかった多くのことを学ぶことが出来て、有意義なフォーラムであったとの感想が寄せられました。

 

 

 

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